(社)楽心館 氣と丹田の合気道会 Rakushinkan Aikido のサイトへようこそ
拝啓 初秋の候、ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
昨日は、立派な免状と黒帯をお送りいただきまして、本当にありがとうございます!居合と、これまでやって来たことについて、一つの良い区切りができました。
私は弁護士業務を開始して、まだ一ヶ月足らずですが、最初の日から沢山仕事をいただき、忙しくも充実した毎日を送っております。
「社会の中で働く」ということについて、私は小さい頃からよく考え、悩みして来たものですから、三十歳になった今になって初めて仕事に就くというのは、なんとも皮肉な話しだなと思いつつ、この三十年間は、いわば一人の人間とし立つため生きるために、本当に必要な準備期間であったのだとつくづく感じております。楽心館の道場で、石川先生はじめ、多くの方から学んだことも、今、まさに社会の中で生きていくため、必要不可欠なことばかりであったと思います。
ただ同時に、これまで自分がやってきたことと、これから自分がやっていくだろうことは、おそらく同一の直線状にあるものだと今は感じております。
いかに自分の身体や精神等を縛っているものから自分を解放し、素直な大きな原理に沿って生きて行くか、利他的に自由に生きて行くか。人生の本質的な問題を正面から見すえ、踏み込んでいけるか。
抽象的ではありますが、これらの問題こそ今まで自分が道場や、普段の生活や、試験の現場において追求してきたものであり、またこれからの仕事の中でも追求していくべきものだと思っております。
石川先生よりいただいたのは、これらの誰しもが潜在的に直面しているいわば”人生の問い”そのものを明確にすることであり、また身体技法を通じて、その問いに答える方法であったのだと思います。楽心館の道場や、道場に向かうバスの中で先生よりいただいたお言葉は、その多くがはじめ納得も理解もできないものでしたが、それと格闘し、また自分なりに工夫することで、ようやく今になって、少しづつ形になり、また自分の行き方の背骨のようなものに成長して参りました。
初めて道場の門を叩いたときから、はや三年、おかげさまで、病気に苦しんでいたときから状態であったあの時から見れば、身体的にも精神的にも大きな成果に恵まれ、また生活の中でも目に見える多くの結果に恵まれました。
しかし、本当に始まりの始まりが終わっただけで、リスクや責任を引き受け、社会の中で成果を出していくためには、なお努力と工夫と成長が不可欠です。
いただいたお手紙の中で、「初心」ということの大切さを先生は強調しておられました。十年、二十年、弁護士として、社会人としての歩みを進めた時、振り返って自分の歩みがぶれず、また自分が柔らかいままで、そして何より自分は本当に成長したなと思えるよう、先生のお言葉を肝に銘じたいと思います。ありがとうございました。
そして今後とも、末永く御指導・御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 敬具
平成19年9月29日