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合気道はダイエットにならないはずなのに、私は汗をかいている。本日はその消費エネルギーについての考察です。
‘08年4月より、厚生労働省の取決めにより「メタボ検診」が実施されることとなり、5月に成人病検診のあった私は腹囲を測定されました。日頃運動に心掛けている所為か結果はセーフでしたが、油断すると体重が暴れやすい体質ゆえ、けっしてメタボも他人事ではないのです。ダイエット手段として‘05年の寒天、今年のバナナと食品に頼る傾向ですが、その基本は、基礎代謝以外の摂取エネルギと同等以上に体を動かすことです。体を動かす身近なスポーツとしては、サッカー、野球、ゴルフ、スキー、テニス、ジョギング、水泳等など。身近ではありませんが、冬のオリンピック種目のカーリングもスポーツのひとつになっていますが、スポーツと言いながら他の競技と比較して汗をかいているようには見えません。氷上の競技だからでしょうか。
スポーツがどの様に定義されているか知りませんが、横軸に「汗かき度」を10目盛、縦軸に「思考度」を10目盛としたとき、サッカーは、(9、6)。水泳は、(10、2)。そしてカーリングは、(1、9)のイメージでしょうか。色々なスポーツをこの様にプロットすると、程度の差こそ有れスポーツは、横軸「汗かき度」と縦軸「思考度」の座標上、ともに「正値」のある領域内に存在しているもの・・・であり、この縦軸と横軸に何らかの範囲が有るのだと思います。
ここで、武道のひとつである合気道をダイエットの面で検証してみます。合気道の技に必要な運動エネルギは、上述したスポーツの「曲げる」「溜める」によるエネルギと異なり、重力方向に骨盤を「落す」ことにより得られる位置エネルギ(らしい)です。では、実際必要なエネルギを計算してみましょう。
計算の仮定として、全体重;62Kgf,骨盤から上の体重;43Kgf(全体重の70%)、骨盤の移動量;下方へ5cm(0.05m)、横方向への移動;考慮せず の条件を与えます。
エネルギは力と移動距離の積で表され、この場合、力は重力方向に移動する骨盤から上の体重であり、移動距離は下方へ5cmです。よって、骨盤から上の体重43Kgf(421N)(Nはニュートンで力の単位;1Kgf=9.8N)の場合、技一回に必要なエネルギは、
421×0.05=21.1J(ジュール)・・・・(1)
だから何なのか分らないので、このエネルギをチョコレートで賄ったとすると、私の好きな明治の板チョコ(65gr)は120円で363Kcal(キロカロリー)の熱量であり4.18J=1calなので、消化効率を50%とすると、チョコレート1gr当りのエネルギは、
363×4.18×0.5÷65=11.7KJ(キロジュール)・・・・(2)
(1)、(2)よりチョコレート1gr(凡そ15mm×15mm×5mm)で可能な技の回数は、11700÷21.1=555回であり、掛かる経費は、120÷65=1円85銭。
技に必要なエネルギもお金も非常に僅かですが、驚くべきことは、上記計算の仮定で述べた如く、合気道の技は、重力の方向に骨盤を移動することで得られるので、技を掛けてもエネルギは消費しないであり、合気道を上述したグラフに載せるとイメージ(−2、8)。即ち、「負値」の領域にあり、スポーツの範疇に入らないことが分ります??? 矢張り武道とスポーツは違うのです。
上記仮定に基付く計算結果を見る限り、合気道はスポーツではなく、且つダイエットに向いていない・・・ですが、実際は、技の前に骨盤を上げる必要がありエントロピー増大であり、事実、稽古着が汗だくになることから充分ダイエットの筈です。ただ、計算上エコな合気道で汗だくの原因は、美しく技を掛けていないから・・・