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自分を知るということ

高谷裕介

就職活動の中で

この数ヶ月、就職活動を行っていて、採用担当の方や、同じ就職活動仲間などから、自分について、客観的な評価をしていただく機会がたくさんありました。そのような他人からの評価を聞いていて、つくづく思ったことは、自分の自分自身に対するイメージと、他人の自分に対して持っているイメージ・評価には、おおかれ少なかれ「ずれ」があるということです。「高谷くんはちょっと真面目すぎるんじゃないですか?」「物おじしないのがうらやましいです」「もっと熱意を示したほうがいいんじゃないですか?」「なんか淡白な感じ・・・」などなど、自分では「そうかあ?」と思うような評価が多く、聞いた瞬間はやや反発を覚えることが多かったように思います。

しかし、帰りの電車の中などで言われたことを考えてみると、他人からの評価は的をえていることがほとんどで、納得せざるをえないのです。面白くなって、就職活動中に知り合った人に、よく「僕ってどんな人間に見えます?」という、怪しげな質問を連発することとなってしまいました。

養老孟司さんが、著作の中で、「他人が見る自分は本当の自分ではない、では通らない。むしろ他人の見る自分こそが自分だとすらいえるかもしれない」という旨のことを書いていましたが、本当にそのとおりだと思います。世のサラリーマンの多くが勤務評定に不満を持つように、他人からの評価を受け入れることは、なかなか大変なことですが・・・。

楽心館の稽古で

私が楽心館の門をたたいたのは、二十代、思いがけず5年も病気で療養するはめになり、何十人もの医者や治療家たちが皆お手上げという状況の中で、なんとか自分の体の質を変えることは出来ないか、病気を治すヒントを得られないかと考えたからでした。

おかげさまで病気も完治し、再び社会の中で働いていける道筋がみえた今になってつくづく思うことは、石川先生は稽古の中で私の体を見ることを通じて、私より、私のことを知っている、ということです。たんなる体のくせ、体の使い方といっても、心身一如の見地からは、自分の生き方や、人間関係でのあり方が、ダイレクトに表出したものといえます。

「右肩が堅い」「軸が右に傾いている」「痛み方が強い、外からの刺激に体を固めすぎてしまう」「中心が空いている」「逃げている、正対していない」「外は固く、内はもろい」などなど、先生からご指摘を受けた“体のくせ”は数多くあります(そして、「それらは君の生き方そのものだ」とつねづね先生から指摘を受けてきました)。はじめは自分の体のこと・自分の生き方のことなのに、どういうことなのかよく分からず、よく分からないまま、ペンディング状態でこころの片隅で考え続けていたのですが、ようやくこの1年半あまり、病気の治療をする中や、就職活動をする中、日常的な人間関係の中などで、リスクを取って何かを成し遂げようとする中で、「ああ、先生がおっしゃっていたのは自分のこの欠点のことだったのだ!」と気づくことが何度かあり、遅ればせながら先生が繰り返しおっしゃってくださっていたことが理解できるようになってきました。

それらは、表面的な自分の「印象」といったものにとどまらない、より根本的な自分の生き方についての潜在的な問題を掘り起こすものに他ならず、今までの人生での数多くの失敗の根本にある問題を提起された気がして、大きなショックを受ける体験であったと同時に、そうか、そうだったのか・・・というたいへん大きな「気づき」につながるものでした。

隠れていて、自分もそれから無意識に目をそらしている問題というものは解決のしようがありません。他者から突きつけられ、問題提起された客観的な自分の欠点に目を向けるのは人間にとってつらいことかもしれませんが、それは、よりよい自分への変化のヒントの宝庫です。そこに目を向け、考え、行動を変え、習慣化していく中で、自分の抱えていた問題が、「面白いようにごそっと解決していく」ということがあるのだと感じました。

あいかわらず右肩は固く、軸はかたむき、体を固めがちで逃げ腰な私で、問題はまだまだ山積みのままです。しかし、それらの問題を、見抜いて、繰り返し指摘してくださる師匠と、二十代に暗中模索するなかで、きちんと出会うことが出来たことは、本当に幸運であったと思います。

よい兄弟子たちにもめぐまれ、「自分が変わっていける」という確信を持って、稽古に望んでいます。「自分がよりよく変われる」という確信をもてることは、“希望”そのものではないかと感じている今日この頃です。






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