(一社)氣と丹田の合氣道会 楽心館

船漕ぎの極意とは?合気道に学ぶ直線運動と心の在り方

“船漕ぎ”って・・奥が深いんだ!

皆さんも経験あるでしょうが、稽古冒頭で“船漕ぎ”をするたび、(直線に動かす)ことがいかに至難かを、痛感。毎度毎度です、はい。

でも、当初は苦手にしていた船漕ぎですが、最近は好きになりました。一見単純に思える動きの中に、合気道の体作りと動きの本質がこめられ、初心者から上級者まで通じる奥の深さを感じます。(昔の人は偉かった)としみじみする今日この頃です。

視線の錯覚と実際の動きのズレ

私が驚くのは、人の視線の錯覚です。(相手に押さえさせて、前後に力抜きで動く修錬の場合)

船漕ぎで自分の目線の中で指先手先を相手に直線に動かそうとしても、結果として上にずれたり、横にずれたり・・。実際の手の動きが視差もあるでしょうし、(頭で思う動き)と(実際の動き)が微妙にずれるんですね。

指摘されたり、鏡を見て初めて気づくのですが、(頭で判断する自分の動き)って、かなりいい加減なんですね。だから、等速直線運動のつもりでも、(加速曲線運動)になってしまうんですね。

先生の仰る(前後方向の気の流れに身を任せる)船漕ぎ運動の極意は余りに遠し、です。

ゴルフとの共通点

ゴルフのスイングを見ていても、直線に飛ばすこと自体が素人では難しく、たいがい力が入りすぎてどちらかに曲げてしまう、あれと同じですね。

女子プロの、ゆっくりしたスイングが正確な直線の軌道を生むのを見ると、ああ、(等速直線運動だ)と感じます。

船漕ぎに込める意識

そんなわけで、船漕ぎをする際には、手・腕の力を抜き、とにかく、つながりを通して相手の軸を感じ、等速で正確な直線で作用させるイメージを心掛けています。

足腰を据えないと直線のつもりが途中で歪んでしまうのですが、手先から出た細い糸でつながるように、きちんとぶれないで等速直線に動けると、スーッと入って行き、その際、(自身の体幹の輪郭を感じられて)、気持ちいいんですよね。このままずっとやっていたい気分になります。

引きの動きと課題

また、引く時も課題山積です。胸の緩みに合わせて、肘からゆっくり等速で腰元に戻すよう心掛けていますが、身体に浸み込むまで、まだまだです。(緩みについてはまた触れなければ)

錯覚と思い違い

目の錯覚で思い出したのが、「人間の不安の9割は、勘違いか、思い違い」

禅の老師がそう仰っていたのを聞き、思わず、船漕ぎを思い浮かべました。将来に対して頭脳が導き出す推論は、たいがい、楽観的にすぎるか、悲観的にすぎるか、どちらかに偏ります。

船漕ぎで直線に動くことができないように、現実を正しく認識することは極めてまれ。(人はまじめに間違える)んですね。

脳科学者いわく、人の頭脳の癖らしく、物事を知ったかぶりして都合のいい解釈をしてしまうか、暗い方暗い方に、余計な不安ばかりを膨らませ、とんだ的外れになるか。その両極にふれるんだそうです。

暮らしにも生きる合気道の教え

合気道はどこまでも意味深ですね。熟年合気道は、道場ではなかなか進歩が遅いですが、暮らしの様々な場面で、船漕ぎの基本を忘れないようにしたいもんです。

#たのしい

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