(一社)氣と丹田の合氣道会 楽心館

合気道と「前のめり」熟年世代の性

今回も脱線気味になりそうです。

熟年合気道のわれら・・・なぜ「合気道」だったのか?
先日こんなエピソードが・・

今年も始まった税金の確定申告受付。
今年は早めに片付けたいと、初日の午前中に税務署へ。

すると、税務署の中庭にはすでに長蛇の列!
(あちゃ、出直すか・・)と思いながら、並んでいる顔ぶれを見ると、どう見ても団塊の世代から上の方々ばかり。??

しかも、
提出用紙を積み重ねた長いテーブルの前では我先にと用紙を奪い合っていらっしゃる。
(きっと、医療費の控除など少しでも税金を還付させたいのかな、と推測)

みなさんの全身から、獣のガツガツしたオーラが見えるよう・・
きっと、日頃は好好爺の顔なのでしょうが、
一旦ことあると、気色ばんだり、殺気立ってしまう。
まるで、銭湯の一番風呂が、イモの小洗い・・の状態。

・・そのとたん、合気道熟年組のみなさんにありがちな、「前のめり」癖を思い起こしました(私を含めて)

ご存じでしょうが、
団塊から上の世代はとにかく人口がいたずらに多いのです。

一学級多い時は60人いて、それが一学年に6クラスか7クラスあったのです。
校庭にプレハブを建て、二部制になったところさえありました。
高校大学と、必然的に受験地獄。一浪二浪は当たり前。

年末の帰省シーズンには上野駅にテント村ができるほどの大行列を作り、ホームに入線する汽車に、窓から荷物を投げ入れて座席を確保していた・・そんな世代です。

以降も、
就職、結婚、マイホーム、マイカーと、あらゆるイベントに集中、互いに熾烈な競争を繰り広げた、いわば、宿命の熟年組です。

(後手を踏んではならない)その脅迫観念に背中を押されながら高度経済成長の戦士となってきたというわけです。
いわば、「前のめり」の人生を条件付けされてきたといえます。

現役時代のみならず、定年後も、旅館の食事タイムにまっさきに順番待ちの列に並び、バイキングの毛ガニのテーブルに走っていくのも・・この世代。

まあ、おばさんたちがバーゲンに異常に反応するのと同じです。
病院の待合所がだって一年中、それに近いことでしょう。

そう、
熟年層は生涯、競争に明け暮れて生き延びてきた世代です。

心の中で無意識に反芻してきた言葉は、(遅れてはならじ!)(人より先に!)
ドアの隙間にさっと足を差し入れ、自己主張しないと転落しそうな怖さがいつもあったのです。
(本当に悲しい性ですね)

だから、歳をとっても何かに立ち向かうとき、条件反射的に気が焦る、はやる、慌てる。
身体が衰えた今でも、「人生いつも前のめり」が身にしみこんでいるのです。

熟年のわれら、合気道を「前のめり」の人生から解放されるべくやっているのかもしれません。
(あと知恵ですが)

晩年とはいえ、哀しい習い性をせめて合気道で浄化し、人生を清くしめくくりたいもの。

軸を立て、初動を消し、加速せず、等速直線で、接点では力を抜き・・
わかっているんですがねえ。

どうか、
若いご同輩は、稽古でご一緒した際は、ご理解のほどを。

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