(一社)氣と丹田の合氣道会 楽心館

親の子供に尽くす氣持ちの強さは計り知れないということ

親の子供に尽くす気持ちの強さは計り知れないということ

子供を想う親の深い愛情

ある日、道場でお子さんが稽古している最中に、あるお母さんが私に相談してきました。

「うちの子の稽古着、小さくなってきたでしょうか?そろそろ新しいのを買おうかなと思っているのですが…」

私はその稽古着を見て、「まだ十分に着られるのでは?」と正直に思い率直にそれを伝えました。確かに少し丈が短くなっているかもしれませんが、機能的には問題ありません。私自身が無駄遣いを避けるという観点からも、「もう少し使えるかもしれませんね」と伝えていました。

 

親の視点と子供の成長

しかし、その数週間後、同じお母さんから再び同じ質問をされました。

「やっぱり、稽古着が小さいような気がするのですが…?」

私は改めてお子さんの姿を見つめました。確かに、前回よりも少し動きにくそうにしているような気もします。あるいは、子供自身が「なんだか小さいな」と感じているのかもしれません。

そこで、「そうですね、少し小さくなってきたかもしれませんね」と答えると、お母さんはほっとしたような表情を浮かべました。

 

子供のためにできることを惜しまない親心

その時、私は気づきました。親の目には、子供のほんの小さな変化も見逃せないのだということを。私の目には「まだ着られる」と映った稽古着も、お母さんにとっては「少しでも快適に、思い切り稽古ができるようにしてあげたい」という気持ちの表れだったのです。

実際の事例から学ぶ親の愛

 

1帯の結び方を覚える

例えば、あるお父さんが子供の帯の結び方について何度も質問してきたことがありました。子供が自分で結べるようになるために、何度も練習を重ねる姿を見て、「どうすればより分かりやすく教えられるか」と悩んでいる様子でした。結果として、そのお父さんはYouTubeで帯の結び方を調べたり、他の親御さんに聞いたりしながら、一緒に学んでいました。このような努力は、単なる技術習得を超えて、親の愛情そのものだと感じました。

2稽古姿を動画で撮る

息子さんが稽古している姿をひたすら外から動画を取って自宅で稽古するお父様がいらっしゃいました。本人がよりうまくなるためです。数年後支部道場ではなく本部道場へお父様も一緒に稽古するようになりました。(朝七時~の稽古です。)愛としか表現できないと思います

親の愛情が子供の成長を支える

子供が稽古を続ける上で、親のサポートは欠かせません。

  • 適切な道着の準備:サイズが合っていることで、子供はより快適に動けます。

  • 精神的な支え:励ましや見守る姿勢が、子供のやる気を引き出します。

  • 継続的な関心:子供の成長に気づき、それに合わせたサポートをすることで、より充実した稽古につながります。

さらに、研究によると、親の関心と積極的な関与が子供のスポーツや武道の継続率に大きな影響を与えることが分かっています。ある調査では、親の励ましを受けた子供の方が、そうでない子供よりも武道を長く続ける傾向にあるという結果が出ています。

指導者として伝えたいこと

親が子供のことを想う気持ちは、時に指導者や周囲の人間が気づかないほど細やかなものです。子供がより良い環境で稽古できるようにと願うその姿勢は、親ならではの深い愛情の表れです。

道場に通うお子さんを持つ親御さんにとって、技術の上達や体力の向上だけでなく、「心の成長」を見守ることが大切なのかもしれません。そして、指導者である私たちも、そうした親の気持ちを理解し、子供たちの成長を共に支えていけるよう努めていきたいと思います。

親子で合氣道を学ぶことは、単なる習い事を超えた「特別な時間」を生み出します。

  • 親と一緒だからこそ得られる安心感

  • 礼儀や姿勢を自然と学ぶ環境

  • 支え合い、共に成長する喜び

子どもが「得意」と感じる瞬間には、技術だけではない心の成長があります。その成長を支える親子の時間は、きっと人生の大切な宝物になるでしょう。

合氣道は、技と心を育てる――そんな武道です。

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