最終更新日 2017年11月17日
東京合気道シニア稽古TOP 2015年 2017年
2016年1月27日 969日 小手の合気:掴まれた小手の拳を、柔らかく寝かせながら相手の肩を抜く
片手取りされた小手の拳を、相手の手首に当て返して摑み返す、スナップを効かせた崩し。あるいは拳を手刀にして相手の小手を斬り落とす動きはすでに学んでいるが、今日は新しい崩し方を先生に教えていただく。右小手を左手で摑まれたとき、『摑まれた小手の拳を右に柔らかく寝かせながら、摑んでいる相手の肩を抜く』。実践を受けたが痛みが感じられない。私が試みる。掴まれ右手首を右に開きながら(掌を開く)肩を抜き、小手を摑みに行く。摑み返した小手は左肩に向けて入り身。この入り身が効いていると、左手を相手の左手に添えて手前に崩すことができる。
2月3日 971日 片手推手:交差した手刀を立て、力まずに体ごと入り身をする
「片手推手」:今更ながらこの基本技の難しさを実感している毎日だ。入門以来、先生から何十回となく指摘を受けていること。交差をした手刀を相手の右肩・首筋へ向けると、『それは、腕を伸ばしているだけ』であり、『斬り下げるんだ』と言われ袈裟に斬り下げると、『それは、どかしているだけだ』。私は緩みで動いているつもりでも、『それは腕力だ』。
先月、「片手推手」の稽古をA さんと行った。手刀を正中線に立て、緩みの中で軸を立て、肩を斬り下げる。最初は止められたが、思い立って手刀を立て相手の肩を手前に抜き、緩みのなかで手刀を伸ばしながら斬ってみると、伸ばした手刀が止められず崩すことができた。A
さんは入門歴も長い経験者で、今まで一度も崩すことが出来なかった人。少しは上達したかと思っていたのだが。
今日もまったく通じない。『これができないとつまらないのでは』と言われる。確かにつまらない。『力んで動くから掛からない。斬り下げる意識も強すぎる』と指摘された。先生は、『私は力んで動いていないから』と私の手刀を掴んで正面に立て、『交差した手刀を立て、力まずに体ごと入り身をする』。先生の手刀はスッと滑らかに私の体に入ってくる。改めて感じたのは手刀の柔らかさだ。柔らかにとは『腕力ではなく丹田からの胸の緩みで、交差している相手の肩を斬る(2015.9)』
私は先生を斬り崩そう、斬り崩したいとの気負いと、同門者と同じでは掛からないとの意識が生じ、身体に力が入り、交差している小手に力が入って動くことになる。力みに関しては先日、同門者から「力みが強くなるのは、相手を斬り下げる意識が強すぎるからではないか」と先生と同じことを言われていた。
2月17日 975日 サルの仲間スローロリスは合気道仲間!?
日曜日放送のNHK「ダーウインが来た」を観た。猿の仲間のスローロリス(ロリスとはオランダ語で「道化師」を意味する)。インドネシア・ジャワ島に住んでいて(画像のスローロリスはジャワ島だが、広くインドから東南アジアの熱帯林に生息)、体長約30センチ前後、体重は1キロ程度。夜行性で樹上生活をしている。獲物を捕獲するのがユニークと言うか、他の動物にない捕らえ方をする。映像を観ていると、好物の昆虫などを捕獲するのにゆっくりと近づいて捕らえる。狙われた昆虫はスローロリスが至近距離になっても逃げない。
秘密はスローロリスのゆっくりとした動き。歩きが超スローで30センチ歩くのに何と51秒掛かるそうだ。昆虫は動体視力が優れていて、素早く動くものには敏感に反応するが、ゆっくり動くものはなかなか認識できない。それと夜間は目が効かないためもある。鳥を捕獲するシーンもあるが、やはり至近距離になっても鳥は逃げない。ゆっくりと動くからこそスローロリスは獲物に気が付かれず、至近距離まで近づくことができる。
映像を観ていて楽心館合気道を連想した。例えば剣術。剣を打ち込む先生の剣は速くは振っていない。稽古で正面に立つよりも、稽古中の先生の剣の動きを横から観ると、振りが速くないのが分かる。あの速さなら外せる、と思えるのだが、打ち込みを外せない。なぜ剣の振りが速くないのに外せないのか。『剣は等速度で振ると、動きが相手に見えない(2006.6)』。また、剣の素振りに関し、『でんでん虫は、見た目は遅くともいつの間にか進んでいる。この動きは初動が分からないので避けるのは難しい(2010.7)』。
私はスローロリスの映像を観て、このでんでん虫の例えを思い出したのだが、でんでん虫が51秒でどれだけの距離を歩くのか分からないが、いつの間にか進んでいることは、子供の頃の記憶にある。スローロリスは単にスローに動くだけではなく、獲物に近づくのに、途中で動きを止めないことが捕獲する大きな要素になるのではないか。合気道でも、間を空けない、動きを止めないとも教わる。
4月16日 989日 両襟を両手で摑み、締め上げられてときの対応
片手で襟を締め上げられたときの対応(二教等で行う襟取りではなく、拳で内側に締め上げる形)。締め上げられると当て身をしても簡単には取れないし、腕力でも難しい。右手で襟を掴まれたら、左手は摑んでいる相手の拳甲に親指を当て、右手は手首を摑み、拳に胸に押し当て、中心に気を通し、相手の右肩を開き(斬る)ながら左方向へ体を開き、摑んでいる拳を外して崩す。「体の合気」で崩すと教わる。
胸襟を両手で掴み上げられたときの対応:掴んでいる相手の両拳の甲に左右の親指を当てて崩し外す。両襟を締め上げられていると、掴んでいる相手の拳に気を取られ、前傾姿勢なって両拳を外そうとしたが崩せない。数回試み訂正する。軸を立て、掴んだ拳に我が胸を当て、中心に気を通し、摑んでいる拳ではなく相手の両肩を斬る(抜く)と崩すことが出来る。