(一社)氣と丹田の合氣道会 楽心館

令和の星空と宇宙感覚:合気道と共鳴する時空を超えた心の旅

今年のゴールデンウィークは令和への“時代越し”のせいか、祝賀ムードで気分が盛り上がり、少々疲れました。

そんな時は、街の人混みで狭くなった視界を空を見上げるなどして広げ、心の地図をワイドにすると回復効果があるそうです。

久々に田舎で星空を拝んできました。
古代の人々がどんな思いでこの星空を見上げただろうと、想像するだけで胸が緩みました。

なにせ、地球がある天の川銀河には太陽のような星が3千億もあり、宇宙にはそのような銀河がまた3千億個以上あるそうですから。

私たちが目にする星の光は「過去」です。
例えば、太陽の光は地球まで光速で8分20秒かかりますから、水平線に沈む夕日は実際には8分20秒前に沈んでいます。

星は地球に一番近い恒星でも4光年の距離があり、夜空には千年前の星もあれば1億年以上前の星もざらです。

つまり、星の瞬きを見るということは、幾千年、幾万年かの遥かな旅をした光が地球に到達し、我らの目の網膜に光の粒子が衝突した瞬間というわけです。

古代人とは一味違う“宇宙感覚”を持てる時代なのですね。

平成の時代は30年間でしたが、宇宙の時間からすればほんの一瞬の出来事に過ぎません。

夜空を見ながら、昭和の星、江戸時代の星、平安時代の星、恐竜が闊歩していた時代の星・・を探し当て、時空間マップを想像するのは愉快なことです。

専門家に伺った話ですが、宇宙感覚というのは、
自分が生まれる前も自分が死んだ後も含む「時空を貫く流れ」が在り、
自分はその「広大なるもの」の一つの構成要素であって、
自分の前にも後にも「何か」があって、それにつながっている・・という感覚で、
生きる意欲を維持する上で大切な感覚なんだそうです。

難しいけど、ちょっとはわかる気がします。

昔から仏壇に合掌するという行為も、先祖代々に思いをはせて供養するのみならず、
宇宙を貫くその一筋の流れと自分自身の呼吸のリズムや体軸を合わせる行為だったような気がします。

合気道の稽古の前後に神前で一礼するのも、技を創意工夫した先達たちに敬意を表するだけでなく、
自身の軸と宇宙の時空間の流れとを同期させる意味が含まれ、
それが動作の始まりとなる、そう伺いました。

・・技の基本である「一致」も、宇宙的な原理なんだと、勝手に納得しています。
そうか、「気剣体一致」「天地人合一」!

人生百年時代といっても、宇宙的な時間からすればごく限られた一瞬、
それが宇宙的な時間の流れとぴたりと一致した時、
おそらく、絶対的な自己肯定が湧き上がるのだといいます。

たとえ自分が1時間後に死ぬとしても、そんなこととは無関係に自分は「広大なるもの」の一部であると実感できる。

そして今、自分は「しかるべき正しい時間と場所に、居るべき人と共に在る」という実感が得られる。

未熟な私にもゆくゆく、そんな先人たちのメッセージを感じ取れたら素晴らしいでしょうね。

新たに幕を開けた令和の時代、宇宙の一部である身体に敬意を感じつつ稽古に励みたいもの。

そして、稽古終わりに一杯やりながらしみじみとかみしめたいものです。
(つまりは、いかに有意義で豊かな酒を呑むか・・)

合気道に乾杯!

0 0
Article Rating
申し込む
注目する
0 Comments
最も古い
最新 高評価
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る
0
あなたの考えが大好きです、コメントしてください。x
上部へスクロール