楽心館中野道場も、
シニアの方の入門が増え、にぎやかになりました。
やっていても、いろんな人がいる方がいいですね。
いろんな動機があると思いますが、
合気道はむしろ、(熟年にこそふさわしい)と、最近つくづく思う次第。
私が楽心館に通い始めたのは、還暦を目前にした59才のとき。
頭ばかり偏って使い古した自分を脇に置き、
たまには人生を(体で感じたい)と思ったのが背中を押しました。
今になってみれば、
人生最後の(OSの書き換え)ができたと感じています。
ほら・・
パソコンも古くなれば、
あれやこれやのデータやソフトが詰め込まれ、
重くなって処理スピードががくんと落ち、フリーズしたりするでしょ。
還暦間近な私も自身、そう感じていました。
パソコンだと、余分なデータや余分なアプリをばっさり捨てて、
本当に必要なものだけに特化してやれば、再び、
軽快さが戻ってくるそうです。
初期化したり、バージョンアップという手もあります。
人の心身も同様で、
ハードは変えようがないけれど、
長年使いこんできたら、どこかで思い切って、
それまで自分を動かしていたソフトを書き換えましょうね、
というのが、古来の(還暦)ということの趣旨なのかもしれません。
そう思えてなりません。
まさしく、
合気道は身体操作を通して自身を書き換えること、と感じました。
合気道の稽古は筋肉の力や動作のスピードを求めません。
従来の因習的な身体運用をいくら加速・増量しても、処理スピードは落ちるばかり。
別の原理で動く乗り物に乗り換えること、
身体運用のスキームそのものを書き換えることだったと思います。
ひいては、生き方そのもののスキームを書き換えられればなおいいのですが。
これまで、
(生計をたてるため主体の価値観)だったソフトやアプリを、
(欲望を減らしたり)(身の回りにあふれてしまったモノを捨てたり)
(頭の作業偏重から身体感覚を取戻したり)・・と、
残りの人生を、できるだけ、かろやかに、清々と生きたい、と
心底から(書き換え)を願うしだい。
合気道は、書き換え作業の水先案内をしてくれている気がします。