(一社)氣と丹田の合氣道会 楽心館

「武道のスピード」とは何か?初心者が体感した“予測できない動き”の本質とは

書いてしまってから「しまった」と思ったテーマ、「武道のスピード」。

私のような初心者の脳みそは、考え始めるとグルグル混乱する。

でも、
避けては通れない課題だし、
あっと驚く(深み)も、待っていそうだし・・

先生の稽古の中にすべての術理が含まれているのだから、考えずともいいのにと思いつつ・・

それでも、術理を理解したい欲求があとからあとから湧いてくるから困る。

これまでわかったことは、
(武道は本来、予測された動きは、どれほど物理的に強くて速かろうと、有効ではない)

だから、
「初動を消す」だし、
「無拍子」だし、
「等速直線運動」
・・なんだよね。

そうすると、
(予測しにくい動きをどう予測するか)
という壁と突き当たってしまう。

先生の剣を軽々とかわすというのは、そういうことになってしまう。

なんだか、中国の「矛盾」を彷彿とさせるなあ・・
タテとホコか。
う~む。

初心者の頭は、脳生理学でいうなら、
(人が体や剣を速くふるおうとすれば、反動をつけて、加速するはずだ)
・・と、自分の狭い枠に照らした(反動→加速)の常識が染み付いている。

これをもとに、
体の動き、目の動き・・から「攻撃の予兆サイン」を読み取ろうと必死になる。

しかし、先生の動きには、予測させる情報がほとんどない。

だから、
視野にあるにもかかわらず、
いつの間にか、スーッと出てくる剣に、
金縛り状態で「待つ」時間を生んでしまう。
どうもそうらしい。

つまり、
先生が振り下ろす剣をかわせないのは、
スピードの問題じゃなく、
(時間のコントロール)の問題ということになる。

目や頭で考えない、感知の方法は何だろう??
今度、確めてみようっと。

余談だが、
稽古は(従来の身体の認識システムを解体し、再構成することを求めている)のですよね・・。
熟年の我らは、それが骨の髄まで滲みてる。
この垢が落ちたら、さぞや気持ちいいだろう。

屁理屈はここまで。
あとは稽古で体にお任せするしかない。

(この段階の理屈の楽しみは、初心者の特権だとご容赦願いたい)

実は、
(武道のスピード)なんてテーマにしたのは、稽古場だけの課題じゃないからです。

むしろ、(武道のスピード)の理解から開発される能力は、
「トラブルを、事前のわずかなサインを感知して、危険を回避する」ことだと確信しています。
危機の予測、今風に言えばリスク管理ですね。
(これがまったくできなかったから、福島原発は吹き飛んだ)

この社会、リスクは身体的な危機に限らず、枚挙にいとまがありません。
会社だっていつリストラされるかしれないしね。
どなたでも、切実なはずです。

リスクの「予見」は、
人間がサバイバルする上で本質的な課題です。
戦わずにすませられれば、事前に回避する、というのが正しい危機管理でしょう。

合気道が「共生の武道」といわれるゆえんですね。
敵を作らないこと。
他者と共生したり、同化する技術だと思っています。

これは、
稽古で身についたこと、課題だと気付いたことが、
仕事場でも家庭でも毎日でも汎用できます。

それにしても、
昔の日本人はすごいね・・!

一方で、対立構造型から抜け出せないできた西欧の競争志向が現在、袋小路に入っていますね。
合気道の思想と技は、未来をいってるんですよ。
(これはまたいつか、まな板にのせましょうね)

・・・なんて、
人生の酸いも甘いもかみ分けてきた熟年には嬉しい楽心館合気道です。

(追伸)

今の世の中、何があるか知れない。
予兆を早めに察知せねば・・。

いつぞや、妻が美容院から帰ってきたあと、
数日間、髪形の変化に気付かずにいたら・・
さんざん、お叱りを受けたことがあった。

女房が美容院から帰ってきたとき、髪型に目がいかないようでは、
危機管理などおぼつかない・・と自戒。
(敵をつくらない)のが一番の危機管理ですから。
反省。

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