8 今年も・・(気持ちよく投げられたい)!
遅ればせながら、今年もよろしくお願いします。
小寒から立春が1年で一番寒さが厳しいという通り、寒~。
とはいえ、世の中、年頭からいい話を聞かない。
ラジオの子供電話相談室で、「生きるのが辛いんですが・・」という相談があったことが話題になっていた。小学生か中学生であろうに。
そういえば、電車の中でも疲れた目をした子どもを見かけるよね。
かと思えば、ポットに有害物質を入れて職場の同僚に飲ませ逮捕された30代の男が、「人間関係がうまくいかなくて・・」と動機を漏らしていたニュースに、ただ、あんぐり・・
ふと、文京道場で合気道をやっている子供たちの姿を思い出し、(あの子たちは大丈夫だろうな)と想像する。
子供から合気道を身体に覚えこませていれば、道場の外、凸凹道だらけの世の中でこそ、相手と結ぶ武道、合気道の基本が広範に活きるに違いない。
家族や友人と、部下や上司、同僚と、対人関係でつながる基本が合気道には満載されている。
シニアになって学ぶ合気道とは意義が違い、実践にいくらでも反映できる。長い人生そのものの質がまるで違ってくるはず。・・そう確信するしだい。
考えてみれば・・(合気道は一人では始まらない、よな・・)(そうか、共同作業なんだ)と納得。
技を掛けられ、投げられたり、時には痛い目に遭いながらも・・
そのとき、ふと、(投げられて喜んでる自分がいるぞ、なんだこれは・・)と気付くことがある。
時には、畳に這いつくばりながら、つい、ヘラヘラ笑ってしまっている。
相手にうまく技をかけた時、(ムフフ)、と笑いがこみあげるのならわかるが、投げられてこみあげる(快感)は何だろう?
(ああ、これは、「共同作業」だからなのではあるまいか・・)
相手とつながっている中で作業が遂行され、完結する・・その意味では、技をかける側も、かけられる側も等価であろう。
ヒトは本来、自己だけが利益を得るより、共同作業、共同利益を喜ぶ生き物なのかもしれない。
現代の格差社会は、1%の人間が大半の利益を独占しているそうな。
しかし・・贅沢三昧に耽っておられる1%の人間は、きっと(淋しいヒトたち)だと思う。
抜け駆けして得る喜びなど、共同作業で感じる喜びに比べればいかばかりか、知れていよう。
上級者ほど、技をかけられて気持ちいい、らしい。
今年もまた、(気持ちよく投げられたい)・・もの。