(一社)氣と丹田の合氣道会 楽心館

「大きな目標が動かないとき、合氣道が教える“半歩”の大切さ」

大きなことを成し遂げたいのに進めないとき、合氣道・楽心館の稽古が教えてくれた「小さな一歩」の大切さ

はじめに|なぜ大きな理想ほど実行できないのか?

「合氣道を習ってみたい」「新しい習い事を始めたい」「もっと大きな目標を達成したい」
こう思っていても、なかなか行動に移せないことはありませんか?

私自身、道場を運営しながらも「もっと多くの人に楽心館の合氣道を知ってもらいたい」と思いながら、実際のアウトプットが止まることがありました。これは日常生活でも同じで、大きな理想を描きすぎると最初の一歩が出なくなります。

合氣道の稽古を通じて私は、この「動けない理由」と「小さく分けて行動することの意味」に気づきました。本記事ではその体験を具体的に共有し、読者のみなさんの仕事や生活、子育てにも役立つヒントをまとめます。


技が止まった瞬間に見えた「頭と体のズレ」

ある日の稽古で、私は肩を取った相手を崩そうとしました。
頭の中では「中心をずらせば倒れる」と理解しているのに、相手はびくともせず、私の体も固まってしまう。

この時の私は「最後の成功形」を強く意識しすぎていました。
つまり「技を掛け切る理想の姿」を頭に描いた瞬間、体が緊張して固まり、現実には一歩も進めなくなったのです。

これは「大きな理想を抱えて行動が止まる」ときの心身のメカニズムと同じです。


気づき|最小の行動に集中すると体は自然に動き出す

技が止まったとき、私は意識を変えてみました。
「相手を倒そう」と思うのをやめ、まずは 足を半歩だけ動かす ことに集中したのです。

すると、体が軽くなり、相手の重心がわずかに揺らぎました。その小さな変化に合わせて自然に次の動きがつながり、結果として技が成立したのです。

この経験からわかったのは、

  • ゴールを見すぎると固まる

  • 今できる一番小さな行動に意識を置くと自然に前進する

ということです。これはまさに「抗う身体」を相手にしている時に必要な感覚であり、楽心館の合氣道が重視している稽古の本質です。


日常生活に応用できる「小さな一歩」の考え方

1. 仕事の場面

大きなプロジェクトや資料作りに取り掛かるとき、「完璧に仕上げよう」と思うほど動けなくなります。
そこで「タイトルだけ決める」「一段落だけ書く」といった小さなアウトプットから始めると、不思議なほど作業が前に進みます。これは合氣道の稽古で「まず半歩動く」と同じ原理です。

2. 子どもの習い事・親子クラスでの気づき

楽心館の子どもクラスでは、前方回転受け身を怖がる子がいます。
最初から「最後まで転がれ」と言っても体は固まるばかり。
そこで「手をつく」「頭を下げる」と段階を分けると、子どもは自然に前へ回れるようになります。

これは「失敗できる場」「教えすぎない稽古」の大切さでもあり、親が横で一緒に受け身を取ることで「姿勢」や「挑戦する態度」が子どもに伝わります。これこそ「親子で通える習い事」としての合氣道の価値です。

3. 習慣づくりや健康管理

「毎日30分走る」と目標を立てても続きません。
しかし「今日は靴を履くだけ」「道場に行くだけ」と小さく分けると、自然に体が動き出し、続けやすくなります。

合氣道の稽古を続けることも同じで、最初は「週1回道場に来る」ことを守るだけで十分です。それが積み重なると身体感覚が変わり、結果として長期的な成長につながります。


楽心館の合氣道が教えてくれること

  • 技は「抗う身体」を相手にするからこそ成立条件が見える

  • 大きな成果を狙わず「最小の一歩」に集中する

  • 剣術の理合いを基盤にした動きは、生活習慣や学びにも応用できる

  • 親子で学ぶことで「続ける力」「工夫する力」が自然に育つ

楽心館の稽古は、予定調和の受け身や演武の美しさだけではなく、「本当に技がかかる条件」を確かめながら身につけていく稽古です。だからこそ、この「小さな一歩の積み重ね」が人生全般に生きてきます。


まとめ|あなたの「半歩」はどこにあるか?

私は今も「大きなことを成し遂げたい」と考えています。
けれども合氣道の稽古を通して、「今日の半歩を出すこと」こそが未来を作るのだと実感しました。

あなたは最近、どんな場面で「動きたいのに動けない」と感じましたか?
そのときにまず出せる 小さな一歩 は何でしょうか?

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